アンチウイルスはスマートフォンの電力消費にどれほど影響するのか
2026年1月15日木曜日
さまざまなモバイルアプリのユーザーレビューには、「アプリの消費電力が高い」、つまり実行中にバッテリーが急激に減るという指摘がしばしば見られます。まれではありますが、こうした声は Dr.Web を含む各社のアンチウイルスソフトのレビューにも挙がります。本号の The Anti-virus Times では、アンチウイルスソフトは実際にどれほどの電力を消費するのか、そしてその動作がスマートフォンのバッテリー寿命にどのような影響を与えるのかを解説します。
アプリ動作と電力消費の関係
アプリケーションがバッテリーに与える影響を理解するには、電力を消費するハードウェア要素を知る必要があります。現代のスマートフォンは、主に次のコンポーネントで構成されています。
- CPU やコプロセッサなどの計算ハードウェア
- 送受信アンテナや信号増幅器などの通信モジュール
- カメラ、マイク、ディスプレイ、センサーなどの入出力デバイス
- バッテリーおよび関連コントローラーなどの電源システム
各コンポーネントは OS・ファームウェア・アプリケーションによって制御され、アプリがハードウェアをどれだけ頻繁かつ強く利用するかによってバッテリーの減りも変わります。
アンチウイルスが行う主な処理と電力消費
アンチウイルスの電力使用量は、その時点で実行しているタスクの種類によって大きく異なります。
- バックグラウンド保護
アンチウイルスは新規および変更されたファイル、疑わしい挙動のみを監視します。
最適化された製品は、CPU やメモリを効率的に利用するため消費電力はごくわずかです。
- ウイルスデータベースの自動更新
更新をダウンロードする際にはネットワークを利用するため、通信モジュールが起動し電力消費が発生します。ただしスマートフォン全体の通信量から見れば、アンチウイルスが占める割合はごく小さいものです。
- オンデマンドスキャン(手動・定期スキャン)
フルスキャンなどでは計算処理を集中的に行うため、バックグラウンド動作より負荷が高くなります。
消費電力は次の要因に左右されます。
- スキャンの頻度と深度
- スキャン対象ファイルの総量(外部メディアを含む)
- スキャナーのアルゴリズム効率・コード品質
- 他アプリによる CPU・メモリ負荷
- デバイスのハードウェア性能とバッテリーの状態
補助的な保護機能による影響
Dr.Web Security Space for mobile devices には、Firewall、Anti-theft、ペアレンタルコントロール、通話フィルターなどの追加機能が含まれています。これらはバックグラウンドで一定のリソースを使用しますが、多くの場合バッテリーへの影響は最小限です。特に Anti-theft は、ユーザーから特殊なコマンドが送られるまでは GPS などを起動しないため、電力消費はごく小さい設計になっています。
- Firewall の場合
Firewall はネットワークトラフィックを常時監視するため、他の保護機能より負荷が高くなります。Android では VPN 方式によりルート権限不要で通信を分析できるものの、監視対象アプリが大量のトラフィックを生成する場合、バッテリー消費が増加します。
動画視聴、ダウンロード、オンラインゲーム、大規模アップデートなど、ユーザーのインターネット利用が活発なほど Firewall の負荷も高くなります。
Androidでアンチウイルスのバッテリー使用量を確認する方法
Android の「バッテリー使用量」機能を使えば、アプリごとのバッテリー消費割合を確認できます。
ただし、この統計値はあくまで推定に基づくものであり、以下の理由から完全な数値ではありません。
- ハードウェアごとの電力消費を直接測定できない
- アプリが複数のコンポーネントを同時に利用すると計算誤差が生じる
- マルチタスク環境では、消費電力の分配が不正確になる場合がある
より正確にアンチウイルスの電力消費を測定する方法
他のアプリの影響を最小限にするため、次のように手動で検証できます。
- フルスキャンを実行し、その間スマートフォンを操作しない
- スキャン前後のバッテリー残量を比較する
- 夜間のバッテリー減少を、アンチウイルス有効時と無効時で比較する
単純な方法ではありますが、おおよその電力使用量を把握するには有効です。
バッテリー消費が異常に感じられる場合の対処方法
アンチウイルスの影響が過度に大きく見える場合、次の要因が考えられます。
- 多量のデータアクセスやアプリインストールにより、スキャン頻度が増えている
- Firewallなど高負荷の機能が常時動作している
- マルチタスクにより OS が電力消費を誤ってアンチウイルスに割り当てている
- バッテリー自体が劣化している
まずは隔離された状態で手動測定し、アプリ設定(スケジュールスキャンの頻度など)も確認することを推奨します。
The Anti-virus Timesは、以下のセキュリティ対策を推奨します。
スマートフォンの安全対策とバッテリー長持ちのポイント
- 信頼性の高いモバイル向けセキュリティ対策アプリ
Doctor Web が提供する Dr.Web Security Space for mobile devices による、バッテリー負荷を抑えた堅牢な保護の実現。 - OS・アプリケーションの最新状態の維持
アップデートによる最適化と、アプリ間競合の解消によるバッテリー性能低下の防止。 - 過度な発熱および頻繁な完全放電の回避
高温環境や繰り返される完全放電による、バッテリー劣化の加速防止。 - 不要なアプリケーションの精査と無効化
特にバックグラウンドで常時動作し続けるアプリによる、無駄なバッテリー消費の抑制。 - マルウェア感染リスクの排除
信頼性の高いアンチウイルスによる脅威防止と、結果的なバッテリー寿命の延伸。

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